PRECISION FITTING
HaFiTは、目の周りの4種類の身体寸法を物差しとして、お客様の顔の実寸を逆算します。さらに端末ごとのカメラ画角を自動較正し、メーカー様からご提供いただいた帽子の物理寸法をそのまま3D描画に反映します。
このページでは、その実現方法を順を追って説明します。
01
帽子は、つば幅・かぶり口の深さが数ミリ違うだけで、顔に対する見え方が変わります。
だから、実物と同じサイズで画面に出すことに意味があります。形だけ似ていても、サイズが違えば「似合うかどうか」の判断材料になりません。
02
カメラ越しの顔は、見え方が人それぞれバラバラです。
距離による違い
顔をカメラに近づければ大きく、離せば小さく映ります。同じ顔でも撮影距離で見え方が変わります。
個人差
同じスマートフォンでも、人によって顔の大きさ・カメラとの距離は異なります。「平均的な顔」では片付きません。
情報の不足
画面に映ったピクセル数だけでは、その顔が実際に何センチなのかを決めるための情報が足りません。
画面の中の帽子を実寸で描画するには、まず「いまカメラの前にある顔は、実寸で何センチか」を逆算する必要があります。これが最初の壁でした。
03
人類の瞳孔間距離(左右の黒目の中心の間隔)は、平均で 63 ミリメートル。虹彩(目の中の色のついた部分)の直径は 11.7 ミリメートルで、こちらは個人差がほぼありません(人類共通の値)。
これらが画面で何ピクセルに映っているかを測れば、「画面1ピクセルあたり実寸で何ミリか」がわかります。そこから、顔全体のサイズを逆算します。
瞳孔間距離だけに頼ると、メガネの反射や瞬きで一瞬誤検出することがあります。虹彩だけに頼ると、細目の方では計測値が安定しません。
HaFiTでは、毎フレーム以下の 4種類の指標を同時に計測しています。
4つの推定値に対し、統計学で使われる MAD(中央絶対偏差: 中央値からのばらつきを測る指標)で外れ値を判定し、ばらついた値を捨てたうえで残りの中央値を採用します。一つの指標が一瞬おかしくなっても、全体の精度に影響しない構造です。
※ 寸法の出典: 産業技術総合研究所(AIST)人体寸法データベース(日本人成人の平均値)。虹彩直径は人類共通の値を使用。瞬き判定の基準は学術論文(Soukupová & Čech 2016)の値を採用。
顔の実寸が逆算できても、帽子側の寸法が曖昧では意味がありません。HaFiTでは、メーカー様から以下の値をミリ単位でご提供いただきます。
これらの数値が3Dデータの表示サイズに直接反映されます。「だいたいこれくらい」ではなく、数値そのものが画面上のサイズを決める仕組みです。
スマートフォンやパソコンのカメラは、機種ごとに 画角(どれだけ広い範囲が写るか)が微妙に違います。同じ顔でも、機種が変われば画面内の見え方が変わるため、画角を「決め打ち」で扱うとズレが累積します。
HaFiTは起動から最初の 30フレームの間、画面に映る目の位置と顔の向きから、その端末のカメラの実際の画角を逆算します。30回分の推定値のうち極端な値(上下20%)を除いた残りの平均を採用し、3D描画側のカメラ設定に反映します。
この自動較正により、機種が変わっても、その端末に合わせた状態で立体表示が行われます。「画角を一律で仮定する」設計に比べ、機種依存のずれが原理的に出ない構造です。
04
実寸で描画できても、「シールを貼ったような違和感」が残ると、似合うかの判断はできません。HaFiTでは以下の処理を組み合わせています。
見えない頭の形(スカルキャップと呼ばれる遮蔽用の形状)を画面の中に置き、横を向いたとき帽子が頭を突き抜けないようにしています。Snapchatなどでも使われている手法を、外部ライブラリに頼らず自前で実装しました。
カメラ映像の色味と明るさをリアルタイムで読み取り、帽子に当たる光に反映します。画面の中で最も明るい方向を検出し、光が来る向きを実際の照明と揃えます。
麦わらのような自然素材は、光を反射しないマットな仕上がりに。プラスチックのような不自然な光沢が出ないよう調整しています。
カメラ映像や顔の特徴がサーバーに送られることは一切ありません。すべての処理がお客様の端末内で完結します。
05
写真合成方式
商品写真を切り抜いて顔写真に重ねる方法。国内の帽子ECで導入されている方式の主流。
海外の3D AR SDK
Perfect Corp、Banubaなど。3D描画の品質は高いものの、SDK組み込み・サーバー連携・月額課金が前提で、導入の技術ハードルが高い傾向にあります。
HaFiT
国内の帽子向け試着サービスとして、物理寸法を起点に3D描画を行う構成。アプリ・専用SDK・サーバー一切不要。御社サイトにリンクを貼るだけで動きます。
※「国内初」は、国内の帽子EC向けバーチャル試着のうち、物理寸法を起点とした3D描画方式を採用しているサービスとして、当社が把握している限りでの位置付けです。
06
寸法(5項目・ミリ単位)
このうち つば外幅は3D描画のスケールを決める基礎値で、必須です。残り4項目は前後位置の精度を高めるためにご提供いただきます(一部が欠けても、他の項目から補完計算します)。
商品写真
白背景の写真が1枚あれば作成可能です。正面・右・左・背面の4枚あると、立体データの精度がさらに上がります。
1商品あたりの計測作業はおよそ 10 分です。専用の計測ガイド(手順書)をお渡しします。すでに商品ページのサイズ表に近い情報が掲載されている場合は、そのデータをそのままご共有いただく形でも構いません。
07
正直にお伝えします。実寸の3D描画でも、再現しきれない領域があります。
HaFiTは、画面の試着で「形・大きさ・似合い」を、商品ページで「素材の風合い・着用感」を担う、という役割分担で設計されています。両方を合わせてご覧いただくことで、お客様の購入判断がよりスムーズになります。